下記のシンポジウムについて、お知らせします。
タイトル:「危機」の身体――クィア、ディスアビリティと「3.11」以降の日本
登壇者:
高橋準(福島大学行政政策学類)
本多創史(東日本国際大学福祉環境学部)
発題者:
星加良司(東京大学大学院教育学研究科)
清水晶子(東京大学大学院総合文化研究科)
司会:
飯野由里子(東京大学大学院教育学研究科)
〈概要〉
2011 年 3 月11日の東日本大震災とそれに続く東京電力福島第一原発事故という
社会的危機を契機に、さまざまな状況を利用してナショナルなものを新たに立ち
上げようとする機運が高まっています。しかしその過程において、ヴァルネラビ
リティの不均衡な配分構造は相変わらず温存されたままです。結果として、異性
愛中心主義や健常性中心主義から外れる身体や生を生きる者に大きな不利益が生
じています。
こうした社会的状況にあって、クィア・スタディーズとディスアビリティ・スタ
ディーズ(障害学)の知見を交錯させることで、何を考えることができる/考え
るべきなのか。たとえば、その都度変化する状況と不確定なリスクにフレキシブ
ル(柔軟)に対応できる身体は、社会的・経済的、そして「国家的」危機を生き
抜く強靭さをもった理想として、ますます希求される傾向にあります。「自分の
身は自分で守り」「不測の事態に対応できるようにしておく」こと。こうした要
請が強化されていく裏面でどのような生がどのように置き去りにされ、生存困難
な状況に追い込まれるのか。私たちはそれを問いたいと思います。
今回のシンポジウムは、クィアとディスアビリティの双方の分野において「3.11」
以降の〈ヴァルネラブルな生〉に関する論考を発表されてきた高橋準さん、本多
創史さんをお迎えし、「3.11」以降の日本という〈国家〉や社会において生のヴ
ァルネラビリティがいかに配置され割り当てられてきたのか、そしてまたそのよ
うな状況にあってクィア・スタディーズやディスアビリティ・スタディーズ(障
害学)の既存の知見がいかに再編成されるべきなのかを、考えてみたいと思いま
す。
記
日時:2013年6月30日(日)13:30~17:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館ホール
主催:科研費研究プロジェクト「『国家的危機』における身体の柔軟性と選別に
関する分析:3.11後のナショナリズム」
共催:
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属 共生のための国際哲学研究セン
ター(UTCP)
東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター
参加費等:無料
情報保障:
パソコン要約筆記
手話通訳(希望者がある場合のみ)
☆お手数ですが、手話通訳を希望される方は、6月10日(月)までに、下記のお
問い合わせ先までご連絡下さい。また、その他何か個別にご要望等がありました
らご相談下さい。ただし、こちらでは対応できないこともございますので、その
点は予めご了承下さい。
<お問い合わせ先>
東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター
電子メール:cbfe@p.u-tokyo.ac.jp
電話/FAX:03-5841-1406